誰かに褒められた時、
「そんなことないです。」
「いえいえ、まだまだです。」
そんなふうに答えることはありませんか。
もちろん、謙遜することは悪いことではありません。
でも、その言葉がいつの間にか、自分自身を小さく扱う癖になっていることがあります。
謙遜と卑下は少し違います
謙遜というのは、自分の良さを分かった上で、それを必要以上に大きく見せないことです。
一方で卑下は、自分の良さそのものを認めず、
「私なんて。」
「大したことないです。」
「私には無理です。」
と、自分の価値まで小さく扱ってしまうことです。
この違いは、婚活の場面でも意外と表れます。
たとえば、お相手から、
「お料理が得意なんですね。」
「仕事を長く続けていてすごいですね。」
「優しそうですね。」
と言われた時、
「いえいえ、全然です。」
「私なんて本当に大したことないです。」
「そんなふうに言われるような人じゃないです。」
と、すぐに打ち消してしまう。
本人としては、
「自慢したくない。」
「調子に乗っていると思われたくない。」
「控えめな人でいたい。」
そんな気持ちなのかもしれません。
でも、お相手からすると、
「私はそう感じたから伝えたのに。」
と、少し戸惑うこともあります。
相手が感じてくれた自分の良さを、自分自身が否定してしまうからです。
褒め言葉を受け取ることは、自慢ではありません
褒められた時、
「ありがとうございます。そう言ってもらえるとうれしいです。」
と受け取ることは、自慢することとは違います。
それは、
「相手が自分をどのように見てくれたのか。」
を、そのまま受け取ることでもあります。
相手からもらった言葉を一度受け取ってみる。
それだけでも、人とのやり取りは少し変わってきます。
なぜ、自分を小さくしてしまうのでしょう
では、なぜ私たちは、自分の良さをそのまま受け取れなくなるのでしょうか。
そこには、子どもの頃の経験が関係していることもあります。
親から認めてもらいたくて、
「まだまだ頑張らなければ。」
と思っていたのかもしれません。
あるいは、大人から軽い気持ちで、
「自慢しないの。」
「調子に乗らないの。」
「得意にならないの。」
と言われたことがあったかもしれません。
目立ったことでからかわれたり、何かができたことを喜んだ時に、周りから冷やかされた経験があった人もいるでしょう。
そんな経験が重なると、褒められることそのものに居心地の悪さを感じるようになることがあります。
そして、
「自分を少し下げておいた方が安心。」
「できると思われない方が楽。」
「目立たない方が安全。」
そんな感覚を持つようになることがあります。
日本では、控えめでいることや謙遜することが良いとされる場面も多いため、自分を下げる言葉が自然と身についている人も少なくありません。
でも、その言葉がいつの間にか、本当の自分の良さまで見えなくしていることがあります。
婚活では、自分の魅力を自分から隠してしまうこともあります
婚活では、お相手はあなたのことを知ろうとしています。
どんな人なのか。
何が好きなのか。
どんなことが得意なのか。
どんな考えを持っているのか。
その中で、お相手が見つけてくれたあなたの良さを、
「そんなことないです。」
「全然です。」
「私なんて。」
と毎回打ち消してしまったら、せっかく相手が感じてくれた魅力を、自分から引っ込めてしまうことになります。
そしてこれは、褒められた時だけの話ではありません。
自分の希望を伝える時。
自分の意見を話す時。
自分の好きなことについて話す時。
「こんなことを言ったらどう思われるだろう。」
と考えて、自分を少し小さくしてしまうことがあります。
それが続くと、相手に合わせているようでいて、本来の自分らしさが見えにくくなっていきます。
「ありがとうございます」と受け取ってみる
もし、誰かに褒められた時、
「いやいや。」
「そんなことないです。」
「まだまだです。」
という言葉がすぐに出てくるなら、一度だけ、その言葉を飲み込んでみてください。
そして、
「ありがとうございます。」
「そう言ってもらえるとうれしいです。」
と伝えてみる。
最初は少し恥ずかしかったり、落ち着かないかもしれません。
でも、その居心地の悪さの中に、
「私は、自分の良さを受け取ることに慣れていないのかもしれない。」
という気づきがあるかもしれません。
自分を大きく見せる必要はありません。
でも、自分を小さくする必要もありません。
自分にあるものを、そのまま認めてみる。
誰かが見つけてくれた自分の良さを、素直に受け取ってみる。
それも、自分らしい関係を築いていくための小さな一歩なのだと思います。