距離を取ることで、自分を守ってきた
「最初はいい感じだったのに、相手との距離が近づくと急に苦しくなる。」
そんな経験はありませんか?
付き合い始めは楽しい。
でも、お互いを知る時間が増えてくると、
「少し一人になりたい。」
「なんとなく会うのがしんどい。」
「この人とは合わないのかもしれない。」
そんな気持ちが湧いてくることがあります。
その原因は、相手にあるとは限りません。
もしかすると、あなたはこれまで「人との距離を取ることで自分を守る」という生き方を身につけてきたのかもしれません。
子どもの頃から、
「怒られないようにしよう。」
「相手に合わせたほうが安心。」
「余計なことは言わないほうがいい。」
そんな環境の中で過ごしていると、人との距離が近づくだけで心が緊張するようになります。
親しくなればなるほど、
「責められるかもしれない。」
「否定されるかもしれない。」
そんな感覚が出てきて、無意識に少し距離を置こうとします。
でも、本当に起きていることは、それだけではありません。
相手を知れば知るほど、
「その言い方は好きじゃないな。」
「そこは理解できない。」
「本当は嫌だった。」
そんな気持ちも、あなたの中に生まれています。
ところが、その感情を感じた瞬間に、
「こんなことを思ってはいけない。」
「私が我慢すればいい。」
「相手を受け入れなければ。」
そうやって、自分の気持ちを押し込めてしまいます。
すると、その感情はなくなるわけではありません。
ただ心の奥にしまい込まれ、「なんとなく苦しい」「距離を置きたい」という形で現れてきます。
だから、親密な関係になれない理由は、相手ではなく、自分の感情を感じないようにしてきたことにある場合があります。
まずは、自分の感情を大切にしてあげてください。
怒りを感じること。
悲しみを感じること。
悔しさを感じること。
憤りを感じること。
嫉妬すること。
妬ましく思うこと。
どんな感情が湧いてきても、それを否定しないでください。
感情に良いも悪いもありません。
あなたがそう感じたという事実があるだけです。
「私は怒っていたんだ。」
「悲しかったんだ。」
「本当は悔しかったんだ。」
まずは、それを認めてあげてください。
もし、これまでずっと我慢してきたのなら、自分に声をかけてあげてください。
「今まで、本当によく我慢してきたね。」
きっと、我慢したくて我慢してきたわけではないでしょう。
そうしなければ、自分の安心が保てなかった。
そうしなければ、人との関係が壊れてしまうと思っていた。
だから、その頃のあなたには必要な生き方だったのです。
その自分を責める必要はありません。
あなたは、その時の自分なりに精一杯、自分を守ってきました。
でも、もう気づく準備ができているのかもしれません。
自分を守るために身につけた方法が、今は大切な人との距離まで遠ざけてしまっていることに。
だからといって、すぐに変わる必要はありません。
まずは、自分の心に湧いてきた感情を認めることから始めてください。
「私はそう感じていたんだね。」
それだけで十分です。
人との距離は、自分との距離を映し出します。
自分の気持ちを遠ざけてきた人は、人との距離も遠くなりやすいものです。
だから、誰かとの関係を変えようとする前に、まずは自分の心に近づいてみてください。
「私は本当は何を感じていたんだろう。」
その問いから、本当の意味で親密な関係は始まっていきます。